ハンドメイド作品が売れはじめると気にしなければならない最も厄介モノが、税金ですね。普段生活をしているとあまり馴染みのない税金ですが、ハンドメイド作家として売上が上がってくると、避けて通れないのが税金なんです。
私たちハンドメイド 作家が気にすべき税金は「所得税や住民税」で、その納税額を決めるために税務署へ必要な情報を提出するのが、年に1度の「確定申告」です。
所得税とか確定申告とか、言葉自体にも馴染みがなくて難しく感じますよね。本記事は、そんな方向けです。
本記事を読んだ後には、こんなことがわかるようになります。
- 税金周りで理解が必要な用語
- ご自身が確定申告する必要があるのか
- 確定申告そのモノ以外で気をつけなければいけない点
- 確定申告をなるべく簡単に済ませる方法
実は確定申告はその年の年間所得によって、必要な人と不要な人がいるんですね。では、誰が確定申告をしなければならないのでしょうか。
専業ハンドメイド 作家と副業ハンドメイド 作家では基準が違う?売上がいくら以上からとか基準があるの?その全てに回答していきます。
この時点で「所得」ってなに?というレベルでも全く問題ございません。なぜなら、ほとんどの方がそこからのスタートだからです。本記事では、「所得とは」という解説も含めて行なっていきますのでご安心ください。
では、早速見ていきましょう。
【保存版・簡単早見表】ハンドメイド作家で確定申告が必要なのはいくらから?の条件はこの4パターンに仕分けて考える
はじめに結論から教えてしまいます。ご自身がどこに位置するかイメージできましたか?
どんな作家?(他の給与所得の有無) | ハンドメイド作家の所得 | 確定申告 |
副業ハンドメイド作家(あり) | 20万円以下 | 不要 |
副業ハンドメイド作家(あり) | 20万円を超える | 必要 |
専業ハンドメイド作家(なし) | 38万円以下 | 不要 |
専業ハンドメイド作家(なし) | 38万円を超える | 必要 |
表でスッキリお伝えしているので一見わかりやすいのですが、「給与所得」「所得」などの言葉の定義をしっかり理解していないと自分が表のどこに当たるのかは判断できないんですね。
この後から、「給与所得」「所得」の定義などを解説しますので、ご自身がどこに位置するのか判断できるようになります。
言葉の定義は後ほど解説しますが、結論的にはこうですね。
- 副業ハンドメイド作家さんは「所得」が20万円を超える場合、確定申告が必要
- 専業ハンドメイド作家さんは「所得」が38万円を超える場合、確定申告が必要
この時点で明らかに確定申告が必要だ!と判明した方は、私も使っているクラウド会計ソフト「freee」を使って楽に確定申告を済ませましょう。
オススメ:ハンドメイド作家に嬉しい!無料から使える会計ソフト「freee(フリー)」
確定申告を理解するために必要な3つの税金関連の用語をやさしく解説
① 確定申告とは?ハンドメイド 作家でも必要?ネットショップを個人でやる人は忘れがち
話が一度戻りますが、確定申告とは何か、簡単に触れておきましょう。確定申告とは、各個人の1年間(1/1~12/31)に得た「所得」を計算し、所得税や住民税などの税金の納税額を確定する手続きで、原則は毎年2/16〜3/15に行います。
ハンドメイド作家も、該当期間に得た「所得」によっては、必要になるということですね。
結局、「所得」とは何なのか、というところが大切です。ここではまずはこれを押さえましょう。
② ハンドメイド作家が確定申告が必要となる条件「所得とは」
「所得」とは、売上(収入)から経費などを差し引いた金額です。
minneやCreemaなどで販売しているハンドメイド作家の場合、販売した作品の売上から、製作費や包装や発送、販売手数料などにかかった費用などが主に経費となります。
(経費!と思った方、ご安心ください。③で経費について解説していきます)
そもそも冒頭の表で、専業か副業どちらのハンドメイド作家かは感覚でわかるけど、「給与所得」ってなに?と思いますよね。
「給与所得者」っていうのは基本的にサラリーマンや公務員など、毎月の定期収入がある方のことを指します。つまり感覚の通りで、会社員や公務員など別で働いている方なら「副業」、そうでなければ「専業」として判断してください。
ちなみに注意事項ですが専業主婦は、専業主婦でもありながら、「専業ハンドメイド作家」として考えてくださいね。
③ 経費とは?ハンドメイド作家が経費にできるものは?
繰り返し所得所得と述べたのと、その所得により確定申告が必要になったり不要になったりすることがわかりましたね。
そして、その所得は「所得=売上−経費」ということもお伝えしましたよね。つまり、どういうことかわかりますか?はい、所得は何を経費にするかによって変わってくるんです。
以下に、ハンドメイド作家が経費にできるであろうとされているモノの例をご紹介しますね。ちなみにご注意いただきたいのが、厳密には経費は「売上を獲得するために必要になったもの」です。またあくまで例なので、観点がわかったらご自身で判断するようにしていきましょう。
ハンドメイド製作の経費
製作にかかったモノや道具は、明らかに経費になります。この辺りは、全額経費として計上して良いでしょう。
- 材料費
- 生地代
- 工具・道具・機械代
- 収納・作業台などの製作環境に関わる費用
- 製作の勉強用の書籍代等
ざっくりはこんな感じですかね。アクセサリー製作で言えばよく出てくるのは、レジンやプラ版などももちろん経費です。
ハンドメイド販売の経費
イベントなどのリアルな場や、minneなどの販売サイトで販売すると、色々お金がかかりますよね。このあたりもしっかり経費として計上していきましょう。
- イベント展示用の備品
- カメラマン代
- 販売手数料
- 送料
- 出店料
- 販売手数料
- 振込手数料
重要:その他経費にできるもの
あとはタイトルにも入れていますが、全額ではないにしても一部を経費計上していいものです。
ちなみに、実はこれが一番大切でして、知っているのと知らないのでは大きく税金が変わってくるところになります。
- パソコン代(minneなどにログインしますよね?)
- スマホ代(プライベートも使いますが2割くらいはハンドメイドでは?)
- 家賃(製作スペースはどうされていますか?)
- 通信費(minneやCreemaに接続しますよね?)
- 電気代(レジンアクセサリー作りは電池ですかね・・・?)
これらの料金に関しては、どのくらいをその事業(今回はハンドメイド)に使用しているかによって、経費の割合を決めます。
ですが、実際そこまで厳密ではなく、常識の範囲内であれば大丈夫でしょう。
例えば、2LDKで1部屋を作業場にしていれば、全体の面積に対してその部屋の面積がどのくらいの広さか、で計算しましょう。(ざっくり3割など)
ハンドメイド作家さんではあまり経費にできないかもしれませんが、よく個人事業主の方や中小企業の社長さんは、自動車を経費で買いますね。
つまり、素材やパーツなどを遠方に車で買いにいく方であれば、車両代とガソリン代を一部経費にすることは可能なのです。
このように、経費をうまく活用することによって所得を抑えて、節税ができるというわけなんです。
ハンドメイド作家の帳簿付けや確定申告のやり方は?楽に行う方法は?
確定申告を理解するための用語への苦手意識も消えたところで、ここからは確定申告が必要になりそうかも・・・という方向けの内容です。
確定申告の時期の直前になって、過去1年間のレシートや領収書をかき集めて、自分は確定申告が必要なのか?から計算をするのは、なかなかの苦行だと思いませんか?
これらを苦行にしないために、以下の3つを事前準備しくととても後々が楽になります。
- カードや銀行口座と連携できる確定申告ソフトを使って楽々帳簿付け
- ハンドメイド作家としての活動専用のクレジットカードを作る
- ハンドメイド作家としての活動専用の銀行口座をつくる
その1. カードや銀行口座と連携できる確定申告ソフトを使って楽々帳簿付け
上述したカードがおすすめではありますが、楽天カードやご自身でお持ちのカードでハンドメイド専用にできるカードがあればそれでOKです。
その専用に決めたカードと、いわゆるクラウド会計ソフト・確定申告ソフトというものを連携させるのです。
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クラウド会計ソフトは無料から始められるものがほとんどで、クレジットカードの利用連携や、レシートや領収書をスマホで撮影することで記録ができます。
経費の管理が急に楽になるんですね、本当に急激に。
このように専用のクレジットカードを作ってクラウド会計ソフトを利用すれば、面倒でどんなに億劫でも避けて通れない確定申告が本当に楽になります。
はじめての確定申告で、書類作成や提出方法がわからなくてもクラウド会計ソフトに沿って行うことで、それだけで完結させることができます。
私なんて書類はどこに提出するのか、どこで手に入るのか、その以前に確定申告・・・?という状態からのスタートでしたが全く問題なかったのはクラウド会計ソフトのおかげですね。
freee以外にもMoneyForwardクラウド会計、やよい会計オンラインなどが有名どころの会計ソフトなのですが、私は圧倒的にfreeeがオススメですね。
その理由は以下の記事に詳しめに書いているのですが、一言で言うと「直感的に使えるように工夫されているから」です。税理士の先生や会計を少し勉強したような方からは、本質的じゃない…などの酷評を受けたりもしていた過去もあるのですが、素人からするととても使いやすいです。
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関連記事:ハンドメイド作家の経理/帳簿付けアプリは「freee」1択で間違いない理由
その2. ハンドメイド作家としての活動専用のクレジットカードを作る
この観点、ものすごい大切なんです。なぜなら、レシートや領収書の代わりに、クレジットカードの明細が使えますからね。
ズボラに管理しているように見せかけて、製作や販売にかかるコストは同じクレジットカードで処理するだけで経費がまとまるんです。
また個人事業主用のカードという専用のカードなどもあるのですが、利用は必須ではありません。よく世間でお得と言われているカード類で、まだ持っていないものがあればそれを申し込んでみましょう。
私はプライベートが楽天カードですが、ハンドメイドの素材や道具を楽天で買ったりもするので、ビジネスカード以外だとやっぱり楽天カードがお得なのは間違い無いですね。
キャンペーンでよくすごい膨大なポイントももらえるので、控えめに言ってオススメです。
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個人事業主用のカードが欲しい場合には、色々ありますがハンドメイド作家ならfreeeのクレジットカードがオススメですね。
事業用のカードって年会費ががっつりかかるのが普通なのですが、freeeのカードは有料の方でも年会費が2,000円で、もちろん経費が利用できます。こちらは無料もあってWeb申し込みで完結なんですよね。
オススメ:無料版も選べる!スモールビジネスの経営・経理に最適な「freeeカード」
なぜこのfreeeカードががおすすめかというと、やっぱり個人事業主や起業直後にフォーカスしてサービスを作っているからですね。
具体的には、2018年現在は以下のような付帯サービスがあります。
すごいですよね。ちなみにこれらの付帯サービスは、年会費のかかる「freeeカード ライトゴールド」と「freeeカードライト」に差はございません。
しかし、他の部分で大きな差があります。それは、「海外旅行保険」「空港ラウンジ」「ポイント」あたりですね。
ご利用のプライベート用クレジットカードの付帯サービスがどうなっているかによっては、嬉しいサービスになっています。
「freeeカード ライトゴールド」と「freeeカードライト」ですが、おすすめは明らかにライトゴールドです。どうしても、ポイントがたまらないクレジットカードって信じられないのが私の感覚なのですが、いかがでしょうか。
材料費や諸々入れて、結局確定申告が必要なのであれば経費で2,000円かけた方がポイントと合わせて得になりますよ。
「freeeカードライト」は、確定申告が必要かどうか絶妙なラインの売上の方が、念のため持っておくのにはおすすめですね。
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その3. ハンドメイド作家としての活動専用の銀行口座を作る
その1のステップであるクラウド会計ソフトはもはや導入必須で、それを活かすためのその2のクレジットカードがありました。同様の理由で、口座のやりとりが全てハンドメイド作家としての活動だけに絞られる口座があると、より確定申告が楽になります。
クレジットカードと同様、眠っているような口座があればそれを利用してもらう形で全く問題ございません。ない場合には、お好きな銀行で口座開設をしてください。
まとめ
どんな作家?(他の給与所得の有無) | ハンドメイド作家の所得 | 確定申告 |
副業ハンドメイド作家(あり) | 20万円以下 | 不要 |
副業ハンドメイド作家(あり) | 20万円を超える | 必要 |
専業ハンドメイド作家(なし) | 38万円以下 | 不要 |
専業ハンドメイド作家(なし) | 38万円を超える | 必要 |
再掲しますが、まずはこの表でご自身が確定申告が必要かどうかを判断します。
確定申告が必要かどうか微妙な場合にも、ハンドメイド専用のクレジットカードを作成して、経費管理は楽にしておきましょう。
そして、確定申告が必要な場合にはクラウド会計ソフトを利用して、楽に確定申告を済ませましょう。
オススメ:ハンドメイド作家に嬉しい!無料から使える会計ソフト「freee(フリー)」
私が利用していてオススメがfreeeなのですが、他の会計ソフトについても知っておきたい!という方は以下の記事で有名な会計ソフトの比較をしておりますので、ぜひ検討してみてください。
関連記事:税金と向き合いたくないフリーランスのための会計ソフト比較まとめ!
では。