minneやCreemaといったハンドメイド販売サイトやアプリでの販売でも、お客様とのトラブルは付き物です。ただしできる限りトラブルを避けるために、あらかじめ準備・対策を練っておくことが大切です。
本記事は、ハンドメイド作品を作り始めて、そして売り始めたけど、なんだか大切なことを知らずに売っている気がする…お客様とのトラブルは極力避けたいな…クレームは嫌だ…そんな方向けです。
手作りだからこそ起こりうる問題、ネット通販でよく発生しやすい問題を1つ1つ解説していき、クレームが発生しないような準備ができるうに学んでいきましょう。
こちらの記事は事前の対応に特化して書いておりまして、真似された…どうしようという方向けには、以下の記事がございます。
関連記事:【パクられないコツ】ハンドメイド作品を真似された時の対処法
特にアプリでの買い物は気軽ということもあり、購入もですがクレームも入れやすいことを頭の片隅に入れておくと良いですね。
ハンドメイド販売でよくあるクレーム/トラブルをまとめて注意!
はじめに、ハンドメイドのネット販売では、ざっとどんな問題が発生する可能性があるのか知っておきましょう。
代表的なものとして、例えば以下のようなトラブルがあります。
- 著作権に関するトラブル
- 商品の素材や色に関するトラブル
- 商品の価格(値段)に関するトラブル
- 返品やキャンセルなどの注文に関するトラブル
- 発送・郵送に関するトラブル
ハンドメイド作品は著作権・パクりに要注意
「著作権」って、こどば自体は結構身近ですが、しっかりと意味を把握しているかと言われると、ちょっと心配になってきますよね。
学び始めると奥が深すぎて果てし無くなってしまうので、今回はよくあるトラブルを3つあげてご紹介します。
手作りの作品でよく起こりがちな問題は、これでほぼ網羅されていると思って構いません。では、見ていきましょう。
キャラクターなどの有名系既存品
趣味の範囲でキャラクターの入った素材・パーツでハンドメイド作品を作り、ご自身で使うのであればなんの問題もございません。
しかし、売るとなると話は違います。
キティちゃんがよく、ストラップになって全国のお土産として売られていますよね? あれは、キティちゃんの権利を持っているサンリオが、各地(各メーカー?)に売る権利を与えているのです。(ライセンスって言います)
だから、あなたがハンドメイド作品で何かキャラクターや有名人などを使おうとする場合には、厳密にはその権利を持つ人と契約をかわさなければなりません。例えば利用料が売上の何%みたいな要領で。
結局のところ、キャラクターや有名人を使うハンドメイド作品は、NGです。趣味の範囲でご自身やお子さん用にとどめて使いましょう。
ちなみに、例えば他にも以下のようなものがよくあるNG例です。
- 既製品(←本当のパクり)
- キャラクター
- ブランド
- 他の作家の作品
- キットとして出ている作品
- 公開・配布されているレシピ
ちなみにさらに注意していただきたいのが、上記のようなものを微妙に変えると言った行為です。中国のパクりキャラが似ているんだか似ていないんだか…みたいなものでも昔よく話題になりましたよね。
あのように絶妙に変えたりするのも、アウトですので、肝に命じておきましょう。この辺りを知っておけば、知らないうちに違法になることはないでしょう。
他人に似てパクりと言われないためには?
ハンドメイド作品は必ずオリジナルを作りなさいということではあるのですが、よほどオリジナリティ溢れた素敵なアイデアじゃない限り、どうしても似てしまうことは避けられないですよね。
ひどい場合にはパクりと言われて、著作権の侵害だーなどと言われてしまうかもしれません。確かに似ているけど、いやでもパクりじゃないしなあ…盗作と言われても困ります!
著作権の話ではあえて触れていなかったのですが、「基本的な技術やデザイン」の作品に著作権はつきません。例えば、ボーダーのTシャツに著作権だ!盗作だ!デザインを盗用するな!と言われても、いやいや。と言えますよね?
それと同じで、シンプル系の作品であれば「このデザインに著作権」とは言えません。と言えば良いでしょう。むしろ、そういうことなので何も言わない方が安全かもしれません。
ただ、明確に反論できるのって、このくらいなんですよね。実際には模倣だと強く言われても、そうでないならひたすら耐えましょう。降伏するのもNGです。
ただ、あまり心配することはないです。そのほとんどは結局それ以上は踏み込んできませんから。
グッとこらえて、どんどん新しい素敵な作品を作れば良いのです。グッとこらえて悲しくならないためには、真似されるほど良い作品なんだと思うと気が楽になりますよ。
関連記事:【パクられないコツ】ハンドメイド作品を真似された時の対処法
盗用・転売されないためには?
逆に、メルカリでそのものを転売されたり、超絶似た作品が売られるようなことも普通にありえます。
そして、そんなに珍しい出来事でもありません。
できることといえば商品画像に文字を入れて真似できないようになどですが、これも購入された上で転売された際には防ぎようがないですよね。
相当な悪質なケースでない限り、起きてしまってからは泣き寝入りした方が労力的に良いんです残念ですが…
ただそうだとしても、出来る限り転売などの被害は避けたいですよね。ここからはそのために必要な、『注意書き』を見ていきましょう。
トラブル/クレームの防止のために注意書きを必ず書こう
ハンドメイド作品をネット通販で販売するときには、かならず作品に関する注意書きを書きましょう。
必要な注意書きの種類としては、以下のような事柄が挙げられます。
- 色や素材 に関する注意書き
- 取り扱い に関する注意書き
- 価格(値段) に関する注意書き
- 発送(郵送) に関する注意書き
- 返金、返品やキャンセル に関する注意書き
このような項目は、注意書きで必須と言っていい項目ですね。
抜け漏れのないように対応して、安全な取引をしていきましょう。
このような細心の注意を積み重ねることが、結局お客様との信頼関係を構築する近道なのです。
はじめての取引から信頼関係を築き上げて、どんどんあなたのファンを増やしていってくださいね。
(コラム)ノークレームノーリターンっていいの?
ノークレームノーリターンで。そんな注意書き、よく見ますよね? できることなら私もノークレームノーリターンでハンドメイド作品を売りたいです。
でも実はノークレームノーリターンって、ダメなんです。「ノークレームノーリターン」って、販売者側の要望でしかないですからね。
普通に考えて、購入者側からすると、ひどい話ですよね。販売者としての責任を「無条件」で逃れているんですから…ハンドメイド販売はそんな甘いものではないと言うことですかね、はい。
自己防衛はわかりますが、注意書きとして誠実に伝えましょう。やっぱり、常にお客様と誠実に向き合うことを心がけて、納得できる作品をお届けすることが大切なんですね。
ちなみに、minneに関しては明確に「ノークレームノーリターン」の記載は規約違反になってしまいます。
利用規約に反する記述、取引にあたってトラブルの元となる記述を行わないようご注意ください。
出典:ミンネHPヘルプ
例)「ノークレーム・ノーリターン」のような免責の記述
購入者さまからの購入作品に関するお問い合わせには、作家さまにてお話合いなどのご対応をいただく必要があります(利用規約第17条)。
また、作品の破損・数量不足・梱包不良などがあった場合も、作家さまにおいて適切に交換・修補などをおこなっていただく必要があります(利用規約第18条)。
「ノークレーム・ノーリターン」のような記述はお問い合わせや返品を受け付けない意思表示となるため記述できません。
例えば、作品に個体差があることを示したい場合には、「ノークレーム・ノーリターン」ではなく「ハンドメイド作品ならではの個体差があることを事前にご理解いただいたうえで購入をお願いしたい」という内容の記述にするなど、ご検討ください。
例)「定形外郵便は補償がありません」「配送中の破損・事故の責任は負いかねます」のような配送に関する免責の記述
配送中の紛失・破損などについては、配送業者による補償の有無にかかわらず、作家さま自身の責任と負担によって購入者さまとお話合いの上、適切に交換・修補などをおこなっていただく必要があります(利用規約第18条・第20条)。
一般的に、配送業者による補償は、購入者さま(お届け先)ではなく作家さま(荷主)に対するものであり、万一の事故の際には以下の例のいずれかの形でご対応いただくこととなります。
作家さま自身の負担を無くすため、補償のある配送方法で販売されることをお勧めいたします。
例1)補償のない配送方法を設定して送料を安価に抑えるが、万一の事故の際は作家さま自身の負担で対応を行う
例2)補償のある配送方法を設定して送料はやや高く設定するが、万一の事故の際は補償を利用して対応を行う
例)「3日以内に入金されない場合はキャンセル」のようなお支払い期日を変更する記述
minneでは、入金期日を含めた作品の販売方法について、当社の定めに従っていただくことになっています(利用規約第12条・第24条)。
それ以外の方法による入金期日の変更はトラブルの元になりますのでご遠慮ください。
(番外編)売上が上がったら「税金」も忘れてはいけない要注意事項
売上が上がってくると嬉しいものですよね。ただぬか喜びばかりしていては、思わぬ落とし穴に引っかかることがあります。その代表的な落とし穴こそ、「税金」なんです。
普段はあまり意識することない税金ですが、ハンドメイドの販売も立派な事業ですので、あるラインを越えると確定申告が必要になります。
そのラインとは、「年間の所得が38万円以上になる場合」です。所得とは、簡単にいうと売上から経費を引いた金額です。売上が上がると経費をどう把握していくか、などもとても大事な要素になってくるので、早めに仕組みをインプットしておくことがオススメです。
経費、領収書、帳簿、とか言われてもピンとくるなんて方ほとんどいませんよね。モチベーションの高い間に一気に学んでしまいましょう。
経費管理や確定申告を楽にするためには、クラウド会計ソフトの利用がオススメです。
ハンドメイド作家に嬉しい!無料から使える会計ソフト「freee(フリー)」
税金を考えなければいけなくなるほど売上を伸ばしていていけるよう、できることを実践していきましょうね。
以下の記事で、ハンドメイド作家の確定申告について詳しくご紹介していますので、合わせて是非ご覧ください。
関連記事:【初心者向け】売上いくらから税金?副業のハンドメイドでも確定申告は必要?
まとめ
パクり騒動やクレームなどのトラブルは怖いですが、誠実に販売を行っていればビクビクするほど恐る問題ではありません。
しっかりお客様と向き合って、人気ハンドメイド作家を目指しましょう。
では。